2004-01-01から1年間の記事一覧

経済学における均衡信仰4

売れ残りは常に存在する 均衡モデルでは、需要と供給とが一致するよう価格が変動すると考える。 しかし、現実の経済では、価格はほとんど変動せず、多少の売れ残りがあるのが通常である。店頭に並んでいる商品は、ある程度以上の期間がたっても売れていない…

悪魔の見えざる手

「神の見えざる手」とはいったい誰が言い出した言葉なのだろう? アダム・スミスが「神の見えざる手」という言葉を使ったと書かれていることが多いが、その根拠をきちんと提示しているものを見たことがない。「諸国民の富(国富論)」の中では、単に「見えざ…

生産性向上以前の問題

日本のソフトウェア産業の生産性が低いということが、いくつかのページで取り上げられている。http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=262 http://blog.goo.ne.jp/e-tetsu/e/468977c23656cf3c817382a3682e4dacだが、ソフトウェ…

製造業に関する時代遅れな認識

100年前で止まっている、製造業に関する経済学の認識 これまでの製造業の歴史は以下の四つの段階に分けることができる。 (1)フォード以前 (2)フォードの「大量に作る」 (3)GMの「大量に売る」 (4)トヨタの「売れる分だけ作る」 経済学では、(1)ないし(2)の時…

倒れやすいゴール

倒れたサッカーゴールの下敷きになり、小学生が重体らしい。http://www.sankei.co.jp/news/041111/sha114.htm http://www.asahi.com/national/update/1111/028.htmlゴールは案外倒れやすく、今年の1月には中学生が死亡し、さらに校長が自殺するという悲劇ま…

経済学における均衡信仰3

徒然なる数学な日々というブログで、『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』を題材として、ミクロ経済学の教科書的理論を説明している。 これの【教科書企画】 5.市場取引の箇所を使って、需要曲線が理論的にどうおかしいか説明しよう。 【教科書企画】 5.市場取…

意外に危険な胴上げ

ツアー初優勝を果たしたプロゴルファーが、胴上げで骨折した。http://www.sanspo.com/golf/top/g200411/g2004110401.html胴上げの失敗で骨折することは珍しくないらしい。屋内での胴上げでは天井にぶつかるケースもある。http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas…

経済学における均衡信仰2

経済学における均衡信仰をもう少し、細かく説明しよう。 均衡モデルの説明では、以下の2点は省略されることが多いが、これらこそが均衡モデルを否定するキーとなる。 均衡モデルにおける数量は厳密には時間当たり数量 均衡モデルの想定している取引は、単一…

経済学における均衡信仰

トヨタ生産方式と相容れない均衡モデル 需要曲線と供給曲線の交点で市場における価格と数量がきまるという(部分)均衡モデルの図はほどんど全ての経済学の入門書に載っている。 だが、均衡モデルは本当に正しいのだろうか? 実は、カンバン方式やJIT(Just In…