口蹄疫禍はこれからが本番かもしれない(1)

口蹄疫を楽観視する人々

既に口蹄疫を楽観視する人々がいるが、口蹄疫の被害はこれからが本番かもしれない。

被害額も、最大限に見積もって、せいぜい数千億円程度ですね。流行地域は壊滅しますが、枝肉相場が上昇することを考えると、畜産業全体では、大して損はしないです。

「せいぜい数千億円」と言う金銭感覚も無神経だが、日本の牧畜が破滅の危機に瀕しているのに、「畜産業全体では、大して損はしない」と言い切るのは、口蹄疫をよほど軽視してないとできないだろう。

宮崎以外の感染していない農家も既に被害を受けている

九州での子牛の競りが中止されているため、子牛を育てている九州の繁殖農家は現金収入がストップしている。

口蹄疫確認の4月20日から5月末まで、県内17家畜市場の競りは全面ストップ。JA県経済連によると、肉用子牛はこの間に約1万頭が出荷予定だった。県内の4月子牛競り平均価格は35万円。単純計算すると、農家の収入35億円が棚上げされたことになる。

競りが再開されるのは順調にいっても数ヶ月先になるはずだが、その間、九州の繁殖農家は現金収入が無いということになる。

懸念される野生のイノシシやシカへの感染

牛や豚を処分しても、野生のイノシシやシカが口蹄疫に感染し、キャリアとして感染を広げ続けるおそれがある。

野生のイノシシや鹿は大丈夫なのか調べるために猟友会に正式に文書で要請書を出してほしいとの要望があり、役場農林水産課へ連絡しました。

飼育している牛や豚の処分ですら追いついていないのだから、野生のイノシシやシカへ感染すれば、九州全体に広がる危険性は極めて高い。九州全体に広がるようなことがあれば、関門海峡を超えて本州に感染が広がるだろう。