いきなり、ハイパーインフレという大嘘

MMTの批判などを読んでいるとよく出てくるのが、いきなり、ハイパーインフレになって経済が収拾がつかなくなるという意見です

これは、はっきり、間違いだと言い切れます。厳密には、富士山の噴火、西日本大震災など、いきなりハイパーインフレになりかねないものもありますが、これらも、事前の準備で回避可能と考えます。ましてや、MMTのような、事前の資産準備を行うものは、いきなりハイパーインフレになる可能性はゼロと言っていいでしょう。
そもそも、いきなりハイパーインフレなどと、言っている人達は、ハイパーインフレの仕組みも物価の仕組みも理解していません。
現実の経済において、大勢の需要家に提供される商品の価格は、経済学の完全競争市場が示すように、供給曲線と需要曲線の
交点とで決まるようなものではありません。大勢の需要家に提供される商品の価格は、大勢の需要家が提供している価格でほぼ決まります。供給者側は、受けいるか、諦めるだけです。個々の価格は、こうなりますが、物価やインフレ、ハイパーインフレの時の価格も基本的にはこれと一緒です。
この際、忘れてはならないのは、価格が上がることを求めている需要家などいないということです。需要家が求めているのは、自分が、自分達が儲けることです。価格が上がりすぎれば、売り上げ単価は上がっても売り上げ自体が下落するので、損することになります。ほとんどの需要家は
、価格が上がりすぎれば損をすることを無意識のうちにも理解しているので、高すぎる価格を付けないようにします。
このように、ほとんどの需要家は、高すぎる価格を付けないようにしているので、いきなり、ハイパーインフレになるようなことは、大勢の需要家がいきなり気が狂って需要を無視した価格を付けるといった非現実的な仮定が成立しないかぎり、起きません。