経済主体の集合と見るミクロ経済学、取引の集合と見るマクロ経済学

私は、経済を基本的には(企業や家計等の)経済主体の集合と見るのがミクロ経済学、経済を基本的には取引の集合と見るのがマクロ経済学だと認識しています。言い換えれば、ミクロ経済学では経済主体の判断を中心に考えるのに対し、マクロ経済学では経済の仕組みを中心に考えるということになります。

どちらも重要ですが、経済の仕組みに関する理解が特になおざりにされているように思います。経済主体の判断に関しては、ミクロ経済学だけではなく、経営学もあります。それに対して、取引の集合という見方はほとんど普及していません。検索しても、ほとんど引っ掛かってこないほどです。

債権と債務は盾の両面ですが、理解している人々は、少数のようですし、所得は支出の結果ですが、ほとんど理解されていないようです。こうしたマクロ経済の仕組みは、ほとんど理解されていないようです。天動説と地動説の違いに似ています。「日が昇る」とか「月が没む」とか、一見、天動説が正しいように見えますが、正しいのは、もちろん、地動説です。地動説が正しいように見える理由の一つは、自分という視点に固執しているからですが、マクロ経済についても、自分自身という視点に固執しているため正しく理解できないようです。