生産性向上以前の問題

日本のソフトウェア産業の生産性が低いということが、いくつかのページで取り上げられている。

http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=262
http://blog.goo.ne.jp/e-tetsu/e/468977c23656cf3c817382a3682e4dac

だが、ソフトウェアの生産性については、「ソフトウェアの生産性とは何か」というもっと本質的な問題がある。「生産性は計測不能」とまで言われている。

http://capsctrl.que.jp/kdmsnr/wiki/bliki/?CannotMeasureProductivity

ザ・ゴール』の54ページにこのようなセリフがある。

君に言いたいのは、生産性なんてものは目標がはっきりわかっていなければ、まったく意味を持たないっていうことだ

生産性とは何かということを誤解したままで、生産性向上を図るとどうなるかということは、同じく『ザ・ゴール』の115ページにこういう登場人物の会話がある。

「あれは何かね」
「倉庫です」彼が答えた。
「何のための」
「完成品をしまっておくためのです」
「もし、あの倉庫をいっぱいすることが目的で物を作っているとしたら、会社は生き延びることができると思うかね」

日本のソフトウェア産業が今の苦境に陥っているのは、倉庫をいっぱいにすることを目的としていたからだと言えるだろう。