2015-01-01から1年間の記事一覧

ミクロ経済学者は算数ができない

計算の順序を無視するミクロ経済学(者) 先日のエントリは、説明の中途半端さもあって、意図が適切に伝わらなかったようなので、ミクロ経済学の間違いについて説明し直します。ミクロ経済学における根本的な間違いは計算の順序を無視していることです。「1を…

ミクロ経済学こそ非合理的

非合理的な行動を基礎にしているミクロ経済学のモデル ミクロ経済学の均衡モデル等のモデルには、致命的な欠陥があります。それは、取引相手の区別が欠けており、非合理的な行動をすることを基礎にしたモデルになっていることです。合理的な行動をとれないモ…

国内総所得における貯蓄の実体は実物資産

ISバランス論における根本的な間違いは、GDI(国内総所得)における貯蓄を現金や預金といった金融資産(の増加)と誤解していることにあります。GDIにおける貯蓄は、設備等の実物資産(の増加)です*1。設備等の実物資産が増えるのは、投資という行為の結果です。…

所得と支出は同じもの

現在の欧州危機の事実上の震源地となっているドイツ(ギリシャではなく)では、憲法に連邦政府と州政府の双方に均衡予算の維持を求める債務ブレーキ制度を組み込んだことで、ギリシャ救済に対する国民の支持は全く得られず、ユーロ発行権を持つECBもドイツの意…

経済学という砂上の楼閣

そして1870年代、 限界革命を主導したひとり、レオン・ワルラスは、実際上あるいは歴史上ほとんど観察されない物々交換を出発点に、より複雑な経済関係を継ぎ足し経済学説を構築しました。その結果、静態理論とは「物々交換経済」という架空の想定に基づくた…

因果関係と相関関係の取り違え

因果関係と相関関係の区別ができていない人は多いです。下記のエントリなど、まさにそうです。 だが、筆者はジャンクフードやファーストフードに依存した少年らの食生活が、少年凶悪犯罪を生み出している大きな要因だと考えている。「ジャンクフードやファー…

過労死促進法案?

安倍首相は先月20日の衆院予算委員会で「グローバルに活躍する高度専門職に絞っている。今度のは全く別物だ」と強調。働き手の同意を得ることや、働き過ぎを防ぐ仕組みを強化したことも挙げ、批判をかわそうとする。「グローバルに活躍する高度専門職」に…

お金が天から降ってくると思っている人々

今朝の日経一面に伊藤元重教授らが民間委員の立場で、基礎的収支の年2.5兆円改善提案をしたとか。 誰かの債務が裏付けにならなければそれに見合う資産はないし、経済を回すマネーとは誰かが作った債務の証文(債権)の流れですから、唯一不況でも健全に債務…

所得と支出は同じもの

所得と支出は同じものです。正確に言うなら、所得と支出は同じものの別々の観点からの呼び名です。所得は商品やサービスを提供する側からの、支出は商品やサービスの提供を受ける側からの呼び名ということになります。債権と債務、輸出と輸入等と類似の関係…

能天気な人々が消費税増税を唱えるというパラドックス

「消費税こそ財政再建の敵」と書きましたが、消費税増税を唱える人々は、なかなか減りません。能天気な人々が消費税増税を唱えるというパラドックスがあります。 経済同友会は21日、財政再建に関する提言を発表した。歳入面では2017年4月に消費税を予定通り…

ありふれた事実すら無視する経済学

非科学的な経済学 「新古典派経済学が科学を冒涜している」と関良基さんが批判しています。 重要なのは、あくまで事実が先で、事実に合わせるようにモデルが決まるということです。事実と合わないモデルは棄却されます。 ところが新古典派経済学のモデルの場…

原油価格がまだまだ下がりそうな理由

原油価格はまだまだ下がりそうです。 元日銀審議委員で安倍晋三首相の経済ブレーンでもある中原伸之氏は6日、ロイターの取材に応じ、1バレル100ドル台にあった過去数年の原油価格は歴史的に異常な高値で、当面下落が続くと指摘。この先に30ドル台、場…