2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

主流派経済学が想定する均衡モデルが現実の経済の理解にとって有害な理由

主流派経済学が想定する均衡モデルは、現実の経済を理解する上で有害である。均衡モデルは、一種の理想的な経済のモデルであるが、理想的なモデルが必ずしも現実について考える上で役に立つとは限らない。ドラえもんの「どこでもドア」は理想的な交通輸送機…

同一労働という難問

「非正規雇用の人々の給与」というエントリで、「同じ仕事をしている場合、リスクの点でアルバイトなどの非正規雇用の人たちのほうが賃金が高くあるべきだ」という主張がなされている。基本的には賛成なのだが、大きな問題がある。「同じ仕事」という前提が…

OPECに原油の供給責任はあるのか?

今日の日経に「供給責任問われるOPEC」という社説が載っていた。だが、そもそもOPECに原油の供給責任はあるのだろうか? 責任とはそれを果たすための権限無しでは意味を持たない。この場合、原油の供給責任を果たすための権限とは、価格の決定権になる。産油…

照明の主役になる発光ダイオード

青色の発光ダイオード(LED)の消費電力を10分の1にできる材料の開発に、中村教授らが成功した。 http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200509210367.html 以前、「照明は全て発光ダイオードになる?」で紹介した件といい、価格以外のほぼすべての点…

ネットには守ってくれる距離の壁は無い

物理的な世界と同様に、ネットの世界にも善人も悪人もいる。ネットの中の方が悪人が多いというわけでもない。ただ、ネットの中には距離の壁が無い。 物理的な世界では、殺人鬼が隣近所に住んでいる確立はきわめて低い。だから、交通事故の危険などに比べると…

投機筋というスケープゴート

9月8日の毎日新聞朝刊の社説に「石油備蓄放出 投機筋への反撃態勢を」とあった。「投機筋」が原油価格急騰の犯人という前提で書かれている。だが、これは心臓に当たった銃弾を殺人の犯人*1と呼ぶようなものである。犯人はその銃弾を発射した銃の引き金を引い…

景気が悪くなるから衆議院を解散した?(2)

景気の悪化を示すいくつかの指標 「選挙前に都合の悪い数字は出さない!? 」の続きが出ている。月例経済報告は発表されたものの、一致指数が大幅に悪化していること等に言及していた。 http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200509070035.html http://ww…

景気が悪くなるから衆議院を解散した?

選挙が終わるまでは、政府の都合の悪い、景気が悪くなっているという発表はさせないようにしているのではないかという話がある。 でも、内閣府のホームページにいくと、通常、9月7日に発表される月例経済報告の発表日時が未定になってる。これは、いま都合…

天災は人災でもある

ハリケーン「カトリーナ」の被害は、深刻なものであり、多くのブログにも取り上げられている。 http://roughtone.air-nifty.com/passing_strangers/2005/09/post_d013.html http://blog.livedoor.jp/ken123atara456/archives/50020441.html http://blog.live…

逆効果になりかねない郵政民営化

郵政を民営化して、郵貯・簡保の資金はどこは流れるのかという問題がある。 http://ohnishi.livedoor.biz/archives/50036959.html http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/bf01057eecc1a93a1b39446c7f30f78f 民間の資金需要が乏しいため、郵政を民営化しても…