OPECに原油の供給責任はあるのか?

今日の日経に「供給責任問われるOPEC」という社説が載っていた。だが、そもそもOPEC原油の供給責任はあるのだろうか?
責任とはそれを果たすための権限無しでは意味を持たない。この場合、原油の供給責任を果たすための権限とは、価格の決定権になる。産油能力を増強するには膨大なコストがかかる。産油能力を増強するために投資して、それが回収できないうちに原油価格が暴落したら目も当てられない。産油能力を増強するために投資する責任をOPECに問うのであれば、原油価格の決定権がOPECになければならない。だが、現在、原油価格の決定権はOPECに無い。
現在、原油価格の指標となっているのは、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)のWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)という種類の原油先物価格であって、OPECが価格を決めているわけではない。
ありもしない供給責任をOPECに問おうとするのは、原油の高騰に対して泣き言を言っているようにしか見えない。