2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

議論の基本

真剣な話し合い、ディベートや口論をしている時、気づくと私たちは相手の論点ではなくその人自身を非難し始めてしまっていることがあります。しかし、この癖は直したほうが良いです。米サイト「Raptitude」の記事によると、建設的な話し合いをするためには、…

言行不一致というよりも言行真逆な安倍内閣

安倍晋三首相は22日午後、首相官邸で開いた政労使会議の会合で「賃金上昇については成果が出つつある。賃金の上昇がなければ経済の好循環を生み出すことはできない」と強調した。その上で、「我々は正念場を迎えている。動き始めた経済の好循環を拡大するた…

ISバランス論の摩訶不思議(8)

ISバランス・アプローチは、トートロジー 貯蓄と投資の差額で経常収支が決まるという、ISバランス・アプローチは、トートロジーです。所得と支出の差額で経常収支が決まるという、アブソープション・アプローチもトートロジーです。貯蓄と投資、所得と支出は…

失敗は何度も繰り返されるのか?

消費税増税が8%に増税されてから、もう6ヶ月が過ぎました。景気は低迷を続けていて、もはや消費税増税によるものは明らかと言って良いでしょう。 政府や財務省、そしてそれに近いマスコミやエコノミストは、この不景気が天候によるものだとか、駆け込み消費…

過小評価される消費税増税の悪影響

「消費」税という名称で錯覚するのか、消費税増税の影響を議論する時、消費税増税で最も影響を受けやすい項目が無視されることが多いようです。その結果として、消費税増税の悪影響が過小評価されることになります。 消費税増税で最も影響を受けるのは「消費…

苛政は虎よりも猛し

著者らの研究によれば、不況下で危険な「緊縮政策」を選択した影響で増加する死亡数は、まさに驚くべきものです。最も悲惨なのは、ソ連崩壊後のロシアで、1990年代に経済政策の失敗により数百万人の男性が死んだ(主に自殺とアルコール関連の死亡)と考えら…

ISバランス論の摩訶不思議(7)

意図せざる在庫投資を意図的に行うという矛盾 ISバランス論に対する最も基本的な批判は、意図せざる在庫投資を意図的に行うことになるということです。 (S-I) = (G-T) + (EX-IM) 式(1)式(1)の左辺の投資(I)には、意図せざる在庫投資によるものが含まれていま…

人は見たいものを見る、見たくないものは見えない

確かに政権幹部にせよ、メディア関係者にせよ、有識者にせよ、充分な収入があるでしょうから、彼らにとっては増税後に消費を減らすも増やすも「気分の問題」なのでしょう。 正規労働層の収入が増える一方で、非正規労働層の収入は実質で減少しており、格差は…

ISバランス論の摩訶不思議(6)

ISバランス論に対する反論には、以下のようなものが思い浮かびます。 投資(I)は受動的に決定される 貯蓄(S)は何から決定されるのか 財政赤字と低金利が両立する 投資(I)は受動的に決定される まず、ISバランス論の基本的な問題は、投資(I)が、消費や政府(支…

「1万時間の法則」は努力の限界を示している?

何かしらの分野で「一流」であるとか「天才」と呼ばれるような人達はセンスや才能に関係なく凡人をはるかにしのぐ練習量をこなしているという事実を基に、1万時間の真摯な練習によって誰でも一流のスキルを身につけられるという考えが「1万時間の法則」です…

安倍総理の辞書に反省という文字は無い

「桜島を含む周辺の火山で今般、御嶽山で発生したよりもはるかに大きい規模の噴火が起こることを前提に、原子炉の安全性が損なわれないことを確認するなど、再稼働に求められる安全性は確保されている」東電福島第一原発の事故の前にもそう言っていましたね…

聞くは一時の恥

『1度教えられたことは2度聞いてはいけない」 これは仕事における重要なルールだ。 いや、本当に忘れちまったら聞くしか無いんだが 聞いた瞬間お前の評価はガクンと下る。 いや、若干、ニュアンスが違いますが、「聞くは一時の恥」に過ぎません。聞かずに…

技術は手段に過ぎない

新幹線がお目見えしてから50年。最新のE7系・W7系と比べると見劣りしますが、最初の車両となった0系に、当時の国民は未来の乗り物であることを感じていました。しかし、内実は違いました。0系は「未知の新技術を用いないこと」をコンセプトにして開発されて…

拙速な「財政再建」こそ、財政再建の最大の敵

もちろん最初から増税を先送りすることによって結果として更によい状況下で財政再建にのぞめる可能性もないわけではないが、その逆の目が出る可能性もまた十分にあるわけで、財政リスクプレミアムに追い立てられるように財政再建に突入させられるような状況…