失敗は何度も繰り返されるのか?

消費税増税が8%に増税されてから、もう6ヶ月が過ぎました。景気は低迷を続けていて、もはや消費税増税によるものは明らかと言って良いでしょう。

政府や財務省、そしてそれに近いマスコミやエコノミストは、この不景気が天候によるものだとか、駆け込み消費の反動だとか言ってますが、どちらも影響が6ヶ月も続くはずはありません。消費税増税のために景気が落ち込んだことを誤魔化して、今年末に行われる予定の消費税の10%への増税を実現させようとする小賢しい小細工なのは間違いありません。

何度か取り上げていますが、1997年の消費税増税における悪影響が10分の1以下に過小評価されていた疑いが濃厚です。1997年の消費税増税後は、1年当り、住宅で4兆円、自動車で1.2 兆円、家電で0.4〜0.5兆円ほど、需要が減少したという見積もりがあります。1997年の消費税増税による景気悪化の事実を認めようとしなかったため、今回の消費税増税が実施され、さらに、消費税増税が実施されようとしています。

民間住宅投資の変動を国民経済計算でみると、96年度には(前年度比13.3%増と)駆け込み需要があったと考えられるが、97年度は前年度比18.9%減、98年度はさらに前年度比10.6%減と駆け込み需要の増加率を大きく上回る率で縮小している。駆け込み需要前と増税後を比較すると、需要水準は年間で 4 兆円の規模で縮小している。キャシン・宇南山論文の0.3兆円とは巨額の差がある。

消費税の8%増税だけでもこの惨状なのですから、10%に増税したら日本は再び長期不況に戻ってしまうでしょう。

10%に増税しなくても、長期不況に戻ってしまうリスクは高いです。