2010-01-01から1年間の記事一覧

無知や未経験という財産

知識や経験がある種の財産であることは、ほとんどの人が認めるだろう。だが、無知や未経験も、また、ある種の財産である。 ディキシットは一般向けの科学や技術の本を読むことを好むが、いつも若者の心を持っているふりをすると言う。それによって、自分の専…

不思議な議論

売り手を買い手が選択するのは独占的競争 「なぜ資本主義経済は需要制約型になるのか?」というエントリで、不思議な議論が紹介されている。 資本主義経済が需要制約型になる理由として、価格と品質に関する一定条件を満たせば、最初に出会った売り手から購…

貨幣にマイナス金利をつければ経済はさらに悪化する

デフレで実質金利が高止まりするため、貨幣にマイナス金利をつけようというアイデアが時々でてくる。 「貨幣にマイナス金利をつけられれば 無理のない金融政策ができる」といった内容の記事を目にすることがある。だが、貨幣にマイナス金利をつけるというの…

賃金を下げても雇用が回復するとはかぎらない

価格理論によれば、リストラで労働が超過供給になると、その価格(賃金)が下がって需要が増え、均衡は回復されるはずだ。 いや、農作物の豊作貧乏のように価格が事実上ゼロでも需要を供給が上回るケースは理論的にありえる。そのような場合は、雇用はほとん…

累進的な税こそ公平

結果の平等 以上のように考えると、最もフェアな税金とは何かが明らかになろう。それは全ての国民が同じ金額の税金を払うことである。 結果の平等の観点から「最もフェアな税金とは、全ての国民が税引き後の金額が同じになるように税金を払うことである」と…

口蹄疫禍はこれからが本番かもしれない(2)

参院選挙で日本中に口蹄疫が広まる? はっきり言って、九州、特に九州南部は、人や物の移動を厳しく制限すべき状態にあり、選挙カーが走り回ったり、選挙演説のために人を集めたりすべきではない。だが、危機意識のない首相は、参院選挙を延期することも、選…

財政破綻を企む?日銀

日銀の言行不一致 財政の維持可能性に対する信認は非常に重要であり、これが崩れてしまうと、金融市場の急速な変化を通じて経済活動に大きな打撃を与える惧れがあります。このことを念頭に置きながら、公的当局は、市場から十分な信頼を得られるよう、適切な…

口蹄疫禍はこれからが本番かもしれない(1)

口蹄疫を楽観視する人々 既に口蹄疫を楽観視する人々がいるが、口蹄疫の被害はこれからが本番かもしれない。 被害額も、最大限に見積もって、せいぜい数千億円程度ですね。流行地域は壊滅しますが、枝肉相場が上昇することを考えると、畜産業全体では、大し…

隗より始めよ、白川日銀総裁

他人事のような白川日銀総裁のセリフ それどころか、短期的な物価の安定に釘付けになると、究極の目的である経済の持続的成長を困難にする可能性すらあります 物価をゼロインフレに押さえ込もうとして、「経済の持続的成長を困難」してしまっているのは、ま…

自然科学を無視つづけてきた経済学

しかしこういう不備は、自然科学をモデルにしているためだ。人間の複雑な行動が古典力学のように単純な理論で説明できるはずがないし、実験によって日常の行動が再現できるわけでもない。そもそも人間の意思決定が「価値関数」のような数値として表現される…

マスメディアのマクロ経済理解のレベルの低さ

「うがー、バカしかおらんのか(怒)」 そう、バカしかいない。 そもそも、日本が採用している消費者物価指数CPIの計算でははもともと1%の上方バイアスが出る、しかも日本のCPIは欧米標準である生鮮食料とエネルギーを除いた値ではなく生鮮食料のみを除いて…

日本政府の借金は日本国民にとっての資産

国債の貸し手は日本国民 今のところ本書が主張しているように国債の95%を国内で消化できているが、この調子で借金を続けていると数年で個人金融資産を食いつぶし、市中での国債消化が怪しくなるのではないか。だから次の衆院選では、何度か国債の札割れが生…

お金をドブに捨てる方がマシ

ホメオパシーに予算を割くべきか、もちろん、予算を割くべきではない。予算を割くぐらいなら、お金をドブに捨てる方がマシである。「既に、複数の研究で、ホメオパシーには効果がないことが確認されている」から、改めて無効であることを証明するために予算…