不思議な議論

売り手を買い手が選択するのは独占的競争

なぜ資本主義経済は需要制約型になるのか?」というエントリで、不思議な議論が紹介されている。
資本主義経済が需要制約型になる理由として、価格と品質に関する一定条件を満たせば、最初に出会った売り手から購入する顧客に対してとる、顧客ロックイン戦略と独占的競争とが対比されているのだが、「価格と品質に関する一定条件を満たせば、最初に出会った売り手から購入する」というような、売り手を買い手が選択する場合、市場は、独占的競争になってしまうはずだからである。選択が無作為であっても、売り手を買い手が選択すれば独占的競争になってしまう。独占的競争と独占的競争との議論になってしまい、適切な対比がなされていない。このような議論になってしまったのは、現実の市場の大部分は独占的競争であるという認識が共通化されていないからだろう。