2009-01-01から1年間の記事一覧

日銀が持っている国債の増加は国民の負担の増加を意味しない

マクロ経済を考える時の典型的な間違い マクロ経済を考える時におかしやすい間違いは、経済全体を考えずに一部分だけを取り出して考えることだ。以下のエントリなどまさにその典型である。 ところが日銀が持っている国債でも当然、満期がこれば政府が日銀に…

マイナス金利というフリーランチ

マイナス金利に関するエントリを読んで、金利をあげると景気がよくなるという説を読んだ時以来の違和感をもった。マイナス金利がゼロより小さい金利とだけ認識して、通常の金利とは正反対の性質を持つ金利との認識が無いためだろう。 マイナス金利では貸し出…

医療崩壊を助長する人々

自分の家の近所で火事が起きたとします。その時に「○○のせいだ!」と怒るだけで火が広がるのを見ているのでしょうか。 いや、ただ眺めているのならまだマシで、マスメディアや政府はガソリンを撒いていた、と言うべきだろう。

航続距離の短さは電気自動車の弱点ではない

電気自動車に関する固定概念 一回の充電で走行できる距離が短いから電気自動車が普及しない。そう考える人は多い。 一回当たりに走行できる距離が短すぎる、また電池が高すぎる、充電時間が長すぎるというハンディが大きく、市場化に耐えるレベルには達して…

経済のことよく分からないまま有権者になろうとしている君へ

よくある誤解 日本は現在、860兆円(地方のも合わせると)という借金を抱えています。もちろんこの860兆という額は、先進国の中でも断トツでワーストです。今後日本は、この借金とその利子を返していかなければなりません。 「返す」って、誰に返すのかわか…

健全な肉体を壊すアマチュアスポーツと弱者に残酷な日本

多くの日本人は、この春、WBCに沸いた。投手の肩を守るため、プロの、メジャーの投手の肩を守るための投球制限があることも知った。 あの知識はどこに消えたのだろう。 高校生の肩は、プロよりも、メジャーの投手よりもタフなのか。なぜメジャーの投手に…

ラフスケッチと設計(デザイン)の区別が付いていない人々

「ソフト生成の自動化」は疑問。ただ、ソフトウェア工場(工業化論)は根強い人気を誇っていますね。設計と製造の区別が付いていない人が多くてげんなり。設計書があれば製造するだけだと思ってるからオフショアが大人気です。 「設計と製造の区別が付いてい…

相互依存

相互依存する無責任な顧客企業と人月ビジネス SIビジネスと人月単価は鶏と卵の関係だから. どこか國の馬鹿大臣も言っていたが,「(一般競争入札にして)透明性の確保が重要」と考える人も世の中にはいるのだ.こういう人のいう「透明性(のある価格)」とは…

机上の空論

「リスクを漏れなく抽出し,対処方法を事前に決める」って……。リスクを漏れなく抽出できたかどうか何を根拠にわかるのだろうか?漏れなく抽出できたのか、それとも、漏れがあったがリスクが現実化しなかっただけか、区別できるのだろうか?

地球環境より経済の方が大事という倒錯

ある視聴者からの意見で「環境問題は人類存亡の危機につながるので経済成長なんかより優先すべきだ。」というのがあったからだ。なるほど、食うのに困らない飽食の時代、これ以上豊かさを求めてどうする、もっと高次元の理想を目指すべきだ、とでも言いたい…

運任せの開発手法

要件定義が充分かどうかは作ってみないとわからないんだってば。 世の中には宝くじにあたる運のいい人もいるのだから、「要件定義が充分」だった運のいい人もいる。「要件定義が充分」というのは、つまるところ、そういう話。運を実力と勘違いする人は多い、…

不可能なことを要求する人々

しかし、日本のソフトウェア開発では一般的に要件定義や仕様が固まらないまま、開発を開始し、要件を変更しながら作っていくケースが多い。その場合には、最初の段階で正確な見積もりを作ることが難しい。そのようなケースについて、篠氏は「そのようなケー…

経済学が役に立たない理由

非合理的な行動を前提としている経済学 「現代経済学は、人間の行動が合理的であることを前提としている。だが、人間の行動はもっと感情的である」といった批判をする人は少なくない。だが、経済学の本当の欠陥は、人間が非合理的な行動をすることを、非合理…

死刑存置とは「間違って殺されても仕方ない」ということ

“死刑存置とは「間違って殺しても仕方ない」ということ”というエントリを読んだ。基本的に異論はないのだが、「間違って殺しても仕方ない」では、一面しか表していない。「間違って殺しても仕方ない」をもう一方の側から見ると、「間違って殺されても仕方な…

そもそもFTPを使うべきでない

FTPのパスワードを盗まれてのものと思われるWebの改竄が多発しているらしい。 岩井氏も齋藤氏も、パスワードを悪用されないためには、パスワード管理が重要だと強調。例えば、パスワードを盗むウイルスに感染しないように、「サーバーにFTPアクセスするよう…

ソフトウェアにおける開発はハードウェアにおける設計

ITproに「コンピュータの仕組みを知るのは,いつも楽しい」というCPUエミュレ−タ関連の記事があった。こういうのを読むと、ソフトウェアにおける開発はハードウェアにおける設計であることがよくわかる。ある機能をソフトウェアで実現するかハードウェアで実…

ソフトウェア開発の悲惨な現状

使いたい無料の有用ツールが使えないという不合理 「ぜひ使ってみたい,不満だらけの逸品を」という記事の利用しているツールの総合満足度ランキングで、Subversionが総合満足度77.5で5位になっていた。さらに、今後使ってみたいツール・ランキングでは、回…

マニュアルだけではダメな理由

なぜそうするのかと仕組みを理解していないと行動が甘くなる。 全くそのとおり。 インフル以外でも、結局のところつきつめると核の部分は同じようなところに行き着くんですよね。 そうなんだけど、きちんと理解させるのはたいへんだから、手抜きをしてマニュ…

無知だからこそ断定する

無知だからこそ断定する 医療問題に限らずなんですが、専門分野の問題においてその道のプロじゃないのに断定できちゃうのはなんで?といつも思うんです。。その道のプロじゃないということはその道について知らないということで、なのに断定するってそれは『…

確実に儲ける方法

その結果分かったのは、為替相場にあまり詳しくない一般人にすべてのリスクを追わせて、自分たちだけは手数料で荒稼ぎしている業者が横行しているということ。 確実に儲ける方法は、「確実に儲ける方法」という話をエサに素人を食い物にすることだ。などと、…

完全競争市場とは似ても似つかない現実の市場

ましてウェブのように完全競争に近い世界では、新古典派経済学の教科書に近い結果が短期間で成立し、レントはゼロになってしまう。 ウェブですら完全競争市場とは100万光年も離れている。現実の市場は、完全競争市場とは似ても似つかない。 完全競争市場とは…

感染パーティという犯罪

感染パーティーという愚行が話題になっている。 【新型インフル】感染目的でパーティー!? 米当局「やめて」 - MSN産経ニュース 感染パーティーは対岸の火事ではない - Skepticism is beautiful 古今東西の感染パーティには、本当に「一理ある」のか? - PS…

読まれていない古典

『国富論』は読まれていない! 全くそのとおり、特に「神の見えざる手」などと口にする連中は、国富論を読んでいない。国富論の「見えざる手」の箇所を読んでいれば、「見えざる手」が市場参加者の意図と異なる結果をもたらすものとして書かれていることがわ…

間違いではないけど

言っていることは間違いではないけど、あまり意味がないように思える。 「ガミガミ屋」「マゾヒスト」を減らし、良い“システム屋”を増やすための鍵は、「評価」だと思います。 「減点法」などに代表されるように評価が適切に行われていないからこそ、“システ…

日銀総裁の痛みは?

日銀こそ痛み伴う対策が必要 しかし堂々と「景気回復には痛みが必要」っていう中央銀行総裁もすごいなあ。嘘でもいいから「なるべく国民に痛みを押しつけない政策を行う」といえないのかしら。まあ中央銀行総裁は選挙がないからそういった配慮はいらないので…

既に十二分に行われているソフトウェア再利用

ソフトウェアの開発生産性の向上は、開発組織にとって永遠のテーマといえるでしょう。さまざまな言語やフレームワークが“生産性の向上”をうたい文句に、世に現れては消えていきます。しかし、それら新しい道具立てへの関心は、主に、「ゼロから構築するとき…

化石のソフトウェアエンジニアリング

ところが。この本では、そういった変化に、驚くほど欠けているんですよ。おそらく10年以上も前から作って来た文書を、今もそのまま作ろうとしているように見えます。それはないんじゃないか、と。 もちろん、私のよく知らない開発現場はあるはずです。そこで…

判断に自信がないから肩書きに拘る

そもそも、ウェブでの議論は内容が大事で、誰がそれを言ったのかが大事ではない、無論、議論を成立させるには誰、の認識はできる必要はあるがそれが現実の肩書きとかにリンクする必要はなく、ダメなことは誰が言ってもダメなんだ、と言うのが現時点では匿名…

あまりにもデタラメな論法

大きな生物Aと小さなBが生存競争を行なうとき、両者の関係はいろいろなケースが考えられる。一つはAがBを捕食する場合、もう一つは逆にBがAに寄生する場合である。このときBがAに感染して宿主を殺してしまうと両方とも死亡するが、たまたまAもBも生存する微…

超高レベルプログラミング言語

一番いいのは、仕様の書き方を統一して、各社実行エンジンは、それを解釈して実行する機能と性能で競ってもらうという方法だ。COBOLやjavaは、言語だが、各社のOS上で動く。ただ、こういった言語ではなく、もっと業務に近い仕様書記述方式を定め、そのルール…