よくある誤解
日本は現在、860兆円（地方のも合わせると）という借金を抱えています。もちろんこの860兆という額は、先進国の中でも断トツでワーストです。今後日本は、この借金とその利子を返していかなければなりません。
「返す」って、誰に返すのかわかってる?日本政府に貸しているのは、日本の国民であり、企業だから、返すのも当然、日本の国民であり、企業に返すのだけど……。どこかに消えてなくなるのではなく、日本の中を循環するだけなんだけど。
日本政府の借金は日本国民の資産
日本政府の借金というのは、もう一方から見ると、日本の国民の資産でもある。その借金をよく、国民一人当たり何百万円もの借金という言い方をするが、これは、資産としての面を無視した言い方で、こういう言い方をするのは、騙そうとしているのか、騙されているのかのいずれかと思って間違いない。こういう言い方に騙されてしまったように見える。日本政府の借金は問題ではあるが、借金の増加を恐れて適切な経済政策が行われていないことの方がはるかに深刻な問題である。結果として、借金はさらに悪化しており、本末転倒と言っていい。
借金は必ずしも悪ではない
以前にも書いたのだが、借金は必ずしも悪ではない。
借金そのものが悪なのではない。それどころか、基本的に借金(債務)を善とし、会社の借金が増えることを喜び、会社の借金が急激に減少すれば会社が倒産の危機にさらされる業種すらある。
もしそういう業種に見当がつかないなら、その程度の経済に対する理解で財政再建などと口にしないほうがいい。
