生産性に関する錯覚(2)

生産性に関する錯覚』の補足です。

生産性に関する錯覚』では、「生産量が生産性に依存する場合も生産性が生産量に依存する場合もある」と書きました。昨今の日本について言うなら、多くが後者です。したがって、マクロ経済の観点から言うなら、生産性を上げてもほとんど意味がありません。むしろ、逆効果になるおそれすらあります。

生産性を上げろと言うのは、供給者側の経営者か、彼らの代弁者です。いわゆる、ポジショントークに過ぎません。日本経済全体を見ているのではなく、自己の短期的な利益を言っているだけです。

生産量が生産性に依存する場合は商品の価格が上がる

生産量が生産性に依存する場合は商品の価格が上がるように作用します。なぜならば、商品の価格の上昇が需要を抑制して、不足している生産量が需要の数量に釣り合うように作用するからです。

逆に、生産性が生産量に依存する場合は商品の価格が下がるように作用します。

需要家が求めるものは、生産物であり、生産量である

需要家が求めるものは、生産物であり、生産物の数量の和としての生産量です。需要家は、生産性を求めていません。そもそも、認知できません。需要家にとって、価格や生産量に影響を与えない限り、生産性はどうでもいいことに過ぎません。

デフレは生産量が需要を上回っていることを示す

デフレは生産量が需要を上回っていることを示します。経済全体として、大部分の商品の供給の数量が需要の数量を上回るような状態にあることを示します。