あまりにもデタラメな論法

大きな生物Aと小さなBが生存競争を行なうとき、両者の関係はいろいろなケースが考えられる。一つはAがBを捕食する場合、もう一つは逆にBがAに寄生する場合である。このときBがAに感染して宿主を殺してしまうと両方とも死亡するが、たまたまAもBも生存する微妙なバランスがあり、これを共生という。つまり共生というのは「みんな仲よくする」ことではなく、競争によってどちらも相手を殺しきれない特殊な状態なのだ。

「共生」という言葉の定義を自分で勝手に変えておいて、今度は勝手に変えた定義で、「競争によってどちらも相手を殺しきれない特殊な状態」などと言うのは、デタラメにもほどがある。「競争によってどちらも相手を殺しきれない特殊な状態を私は共生と呼ぶことにしました」という以上の意味はない。