マイナス金利というフリーランチ

マイナス金利に関するエントリを読んで、金利をあげると景気がよくなるという説を読んだ時以来の違和感をもった。マイナス金利がゼロより小さい金利とだけ認識して、通常の金利とは正反対の性質を持つ金利との認識が無いためだろう。

マイナス金利では貸し出さない方が儲かる

日銀がマイナス10%で市中銀行に資金を出せば、銀行はマイナス5%で貸し出しても儲かる。

貸し出さないと、銀行はもっと儲かるのだが……。マイナス金利で貸し出すより貸し出さない方が儲かる。

マイナスの金利、つまり借金すると利息をもらえる、があって何がおかしいのか?

マイナス金利で貸し出すよりは貸し出さない方が儲かる、というのが理由の一つ。

マイナス金利では投資は壊滅する

これならばデフレ下においても借金による投資が怖くない。

逆に、マイナス金利では投資は壊滅する。何もせずに借りるだけで儲かるのに、誰がわざわざリスクを冒して投資するのだろう。貸す方も、貸し倒れのリスクが高まるくらいなら、何もしない相手にこそ貸すようになるだろう。このため、銀行にマイナス金利で貸し出すよう強制しても、投資は増えない。

マイナス金利では資金の需要が無限大になる

通常の金利とは逆に、マイナス金利では借りれば借りるほど儲かる。だから、お金を借りたいという需要は理論的には無限大になってしまう。これが、マイナス金利がおかしい理由のもう一つ。マイナス金利というのは、ある意味フリーランチに他ならず、経済原則に反した存在である。マイナス金利という名目の保管料なら否定しないが、本当のマイナス金利市場経済ではあり得ない。