主流派経済学が想定する均衡モデルが現実の経済の理解にとって有害な理由

主流派経済学が想定する均衡モデルは、現実の経済を理解する上で有害である。均衡モデルは、一種の理想的な経済のモデルであるが、理想的なモデルが必ずしも現実について考える上で役に立つとは限らない。ドラえもんの「どこでもドア」は理想的な交通輸送機関であるが、交通輸送の専門家が現実の交通輸送について考える時に、どこでもドアを基にして考えたりはしない。どこでもドアが現在知られている物理法則に反しているからである。均衡モデルも現実に当てはめようとすると、物理的な法則や論理的な法則に反することになってしまう。
均衡モデルが有害無益とまでは言わない。毒が薬として使えることがあるように、限られたケースでは均衡モデルも役に立つこともある。