天災は人災でもある

ハリケーンカトリーナ」の被害は、深刻なものであり、多くのブログにも取り上げられている。

予測されていた被害

ニューオーリンズ市が危険な状態にあり、超大型のハリケーンが襲えば、今回のような被害がでかねないことは予測されていた。だが、予算不足を理由に充分な予算が確保されなかった。

ニューオーリンズ市でハリケーンカトリーナ」が起こした災害の規模について、米連邦政府や州政府など関係当局は少なくとも5年前から想定し、机上演習も2回実施していたことが分かった。貧困層の人々が取り残される事態を含め今回現実になった問題がすでに確認されていたが、予算不足などで抜本的な対策はとられないままだったという。

ハリケーンカトリーナ」が直撃した米ルイジアナ州ニューオーリンズについて、都市化に伴う地盤沈下が冠水や洪水を起こしやすくし、被災を深刻にする危険性を地元メディアが指摘していた。政府の災害予測が生かされなかったことも批判を呼んでいるが、都市化の面から鳴らされた警鐘も防災対策に反映されなかった可能性がある。

イラク派遣の副作用

予算不足の主な原因の一つは、イラク戦争とそれに続く駐留であり、今回の被害はイラク派遣の副作用であるとさえ言えよう。イラクには、ルイジアナ州から3000人、ミシシッピ州から3800人の州兵を派遣していて、そのことが略奪などを悪化させた一面もある。

失政と天災

かって中国では、政治が乱れると天災が起こると考えられていたらしい。台風や地震は自然現象であり、政治とは関係ない。だが、それにより起こる災害の規模は政治と無関係ではない。防災対策などに力をいれれば、災害を大幅に抑え込むできる。そういう見方からすると、天災は常に人災の面を持ち、失政が天災を拡大するというのは言い過ぎではないだろう。今回のハリケーンでも、避難手段を持たなかった貧しい黒人層などに被害が集中している。