逆効果になりかねない郵政民営化

郵政を民営化して、郵貯簡保の資金はどこは流れるのかという問題がある。

民間の資金需要が乏しいため、郵政を民営化しても資金は民間に流れない可能性が高いと思う。だが、それならばまだマシである。バブル期の不動産投資や株式投資のように投資がムダになってしまうという、より悪いケースも考えられる。

民営化すれば経営が効率的になるというわけではない。拓銀山一證券も民間企業だったし、バブル期の不動産投資や株式投資不良債権のために政府による資本注入を必要とした各銀行も民間企業である。非効率な企業が市場に淘汰されることにより効率的な企業が残るのであって、民営化にすれば効率的になるとはかぎらない。

適切な投資先を見つけるという未経験な難問に、民営化すれば直面することになる。民営化により投資先が変化することを求められると、不適格な投資先を選択するという結果に陥りかねない。