聞く耳を持たない人々

辛口Javaな日記」において、@ITの「ある日、社長は“プロセス改善”と叫んだ」という記事のタイトルが皮肉られていた。

そしてその日から、業績は悪化の一途を辿ることとなった。

プロセス改善をやっているつもりで、プロセス改悪をやっているケースは非常に多いように思える。
その大きな原因の一つは、ソフトウェア開発に関する理解不足による経営者のコミュニケーション能力不足である。それは、同じ記事の3ページ目にIPAのSECが行った「2005年版組込みソフトウェア産業実態調査」の経営者、事業者に対する調査結果として以下のように書かれていることからも推測できる。

気になる結果ですが、技術者について「非常に重要」なのは、トップが「コミュニケーション能力」、2番目が「プログラミング能力」。非常に重要、重要を合わせると、コミュニケーション能力は95%にも達します。開発管理者について「非常に重要」なのは、トップが「コミュニケーション能力」、2番目が「マネジメント能力」です。

コミュニケーションは一方だけでは成立しない。他者にばかりコミュニケーション能力を求めるということは、自分自身のコミュニケーション能力の不足の表れと見てほぼ間違いない。自分自身が理解できないから、理解できるような説明を他者に求めることになる。小学生に微積分を説明することを想像すれば、説明がわからないのが必ずしも説明者の能力不足とはかぎらないのが理解できるだろう。