トヨタもセブン-イレブンも否定する経済学(3)

11日のエントリへの反論があった。

ジャストインタイムって需要に応じて供給体制自体を微妙に変えることでしょう?

ジャスト・イン・タイムは、「必要なものを必要な時に必要な量だけ」ということ。需要に応じて供給量を増減させることであって、供給体制を変えることではない。

1月11日のエントリで述べているように、人間の心の中の需要は一定であっても、結果として観測できる需要はランダムに変動する。ランダムに変動する需要に応じて体制を変更するなんて、サイコロをころがして体制をきめるようなもの。そもそも「必要なものを必要な時に必要な量だけ」作るには、体制を変更するヒマなんて無い。体制変更なんて大掛かりなことをしていたら、「必要な時に」間に合わない。

必要最小限だけ作るというのが、ジャスト・イン・タイムの基本であり、トヨタ生産方式の基本。大野耐一の「トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして」でも、「作り過ぎのムダ」が最大のムダと書かれている。ムダに作るくらいなら休んでいる方がまだマシというのが、トヨタ生産方式の考え方であり、TOCなども基本的にこれを受け継いでいる。