極めて高いソフトウェアの再利用率

ソフトウェアの再利用や部品化はソフトウェア開発における生産性向上の切り札的に扱われることが多いが、それらは誤解の産物である。

見かけ上のソフトウェアの再利用率を大幅に下げている数字のトリック

しかしながらソフトウエアの再利用は,ミクロなレベル(アルゴリズムやライブラリレベル)での再利用は比較的容易で広く利用されているが,それ以上のレベル(コンポーネントやビジネスオブジェクトなど)の再利用となると極めて難しい.この難しさは,ソフトウエアの本質的な性質によるものだと言って良い.

そういう面もあることは否定しないが、見かけ上のソフトウェアの再利用率を大幅に下げている数字のトリックがあることが、ソフトウェアの再利用における最大の問題である。パッケージソフトなどでの100%の再利用が再利用として扱われないため、見かけ上のソフトウェアの再利用率が大幅に下がってしまっている。パッケージソフトなどの100%の再利用を考慮に入れると本当のソフトウェアの再利用率は極めて高い。

ソフトウェアの再利用率が極めて高いため、ソフトウェアの再利用を増やして生産性を向上させる余地はあまり残っていない。ソフトウェアの再利用をより増やそうとするとそのためのコストの増大を招き、生産性はほとんど向上しないという結果になりがちである。