企業の社会的責任(2)

GoogleYouTube買収に関して、Googleが損害賠償訴訟に巻き込まれるリスクについて話題になっている。

株主の責任は有限である

企業の社会的責任」のエントリでもふれたように、株主は出資額以上の責任を負わない(株主の有限責任の原則)。現時点では、GoogleにはYouTubeの株が紙切れになる以上のリスクは無い。

企業は株主の道具である

もちろん、株式の100%を持つ親会社は単なる株主以上の存在と見なされるのが通常だから、今後のGoogleの行動次第ではGoogleが損害賠償訴訟に巻き込まれるリスクは高い。

矛盾する二つの原則

企業が株主の道具であるという原則からすると株主は無限の責任を負うべきだし、株主の有限責任の原則からすると株主は出資額以上の責任を負わない。Googleが損害賠償訴訟に巻き込まれるリスクについて予測しようとすれば、この相互に矛盾する原則の双方を考慮する必要がある。