他人にコミュニケーション能力を求める者はコミュニケーション能力が乏しい

「システムを開発する技術者は、コンサルタントを目指すべし」くらいの勢いで主張されるかたも多いし、日経BP 等の Web ページを見ていると、技術者にとって必要なスキルはコミュニケーション能力だ、という主張ばかりが目立つ。確かにコミュニケーション能力は重要ではあるが、技術者の本分はあくまで「技術力」であって、それをないがしろにしていいわけがない。

激しく同意。なんか、アンケートで「コミュニケーション能力」ってよく上位を占めてるけど、技術があるけどコミュニケーション能力が不足してるってあまりいない。

技術者にコミュニケーション能力を求める経営者や管理者こそ、コミュニケーション能力が不足しているのではないだろうか。

コミュケーションは一方の努力だけで成り立つものではない。情報を送り出す側だけでなく、情報を受け取る側もそれなりの能力が必要となる。技術的なコミュニケーションは、双方に技術的な知識がないと成り立たない。掛け算の九九レベルの算数しか知らない小学生に、微積分の話をわかるように説明することは不可能と言ってもいい。

もし、自らの技術的な知識の不足を放置して技術者にだけコミュニケーション能力を求めているとしたら、技術的なコミュニケーションがうまくいかないのは、二つの点で経営者や管理者側の責任である。技術的な知識がないため技術的なコミュニケーションがうまくいかないという点が一つ。技術者とのコミュニケーションに対して、技術的な知識を高めるという労力を払って改善するほどの価値は無いと見なしているということがもう一つ。口では「コミュニケーション能力」と言いながら、態度ではコミュニケーションを拒絶していることになる。
技術者にはお人よしが多いが、「お前とのコミュニケーションには価値がない」という態度を示されてもなおコミュニケーションをとろうと尽力するほどの人格者はそうはいないだろう。