お金が宙に溶けて消えると思っている人々

お金はいくら使っても減らない、保有者が代わるだけ

お金が宙に溶けて消えると思っている人々はいないと思うのですが、それと同レベルの発言をする人々は大勢います。
お金はいくら使っても減らず、保有者が代わるだけだということを多くの人々が理解していないようです。自分の財布からお金が減ることだけ意識して、他の人の財布でお金が増えることが忘れられているのでしょう。

近視眼的な「理系経済評論家廣宮孝信の近視眼的財政論」

最近も、人を呪わば穴二つ的なエントリがありました。

老人になって貯蓄を減らす人が多くなると、介護・医療・公的年金生活保護社会保障費で政府支出が多くなる。実際に、1991年に50.1兆円だった社会保障費は、2009年に99.9兆円まで増加した。

貯蓄を取り崩すということは、取り崩して使った分、誰かの所得が増え、誰かの貯蓄が増えるということなんですが……。老人になって貯蓄を減らす人が多くなっても、全体としての貯蓄は減りません。むしろ、全体としての貯蓄は増えると考えられます。他の人の財布でお金が増えることに気づかないのでは、まさに「近視眼的」でしょう。

つまり、今の制度のままでは幾ら日本が貯蓄超過と言えども、破綻に到達する可能性は高い。また、人々が遺産を残すよりも、人生で資産を使い切ることを望んだら、破綻時期は近くなる。

多くの人が、「資産を使い切る」と、むしろ、全体としての貯蓄は増えることになります。