お金が天から降ってくると思っている人々

世の中には、お金が天から降ってくると思っている能天気な人々が少なくありません。田巻一彦という人もその一人のようです。

政府の支出はGDPの要素

安倍晋三首相が来年4月からの消費税率引き上げを1日に決断し、歳入の増加は図られるものの、膨張する歳出に歯止めをかける点は「野放し」状態になっていると言っていいだろう。

このままでは仮に消費税率を10%に引き上げても、債務の累増問題を解決できない危機に直面する。米国のような債務上限の設定や歳出を強制的にカットできる条項を設定すべきだ。私には、米国債のデフォルト回避に向けて議論している米国の方が、無制限の債務膨張を止められない日本よりも、ずっと健全であると映る。

誰かの債務は誰かの財産(債権)、誰かの支出は誰かの所得というマクロ経済の基本的なところを理解していないのでしょう。日本のような国では、おおよそ「GDP=消費+投資+政府支出」が成り立つと見なせます。日本政府の財政赤字の主な原因は、政府支出が少なすぎることにあります。政府支出が少なすぎるため、課税のベースとなるGDPが少なく、税収が少ないという結果になっているのです。

我々が受け取るお金は誰かが支出したお金

我々が受け取るお金は、誰かが消費や投資、政府支出という形で支出したお金です。政府支出を強制的にカットしろというのは、国民の所得をを強制的にカットしろと言っているのと同じです。