ほら吹き男爵のほら話を真面目に信じる人々

日本が破綻したときIMF(国際通貨基金)が日本国民に強制するプログラム」というのが一部で話題になっているようですが、ほら吹き男爵のほら話レベルをまともに扱う気にはなれません。隕石が頭の上に落ちてくるのを心配する方がまだしも建設的です。

日本が国債金利を払うことができなくなるなどして破綻すると、日本は破綻し、財政の管理を国民ではなく債権者に委ねることになる。多くの場合、その相手となるのが国際通貨基金(IMF)だ。借金を返せなくなったとき、国民の意見や主張よりも債権者が設定したプログラムに支配されることになる。

日本政府に対する「債権者」は、事実上、ほとんど全部日本国民です。IMFの出番はありません。IMFはあくまでよその国からの債権の回収に関わるだけです。また、IMF自体、その最大のスポンサーは日本政府であり、日本政府が破綻する前にIMFが破綻してしまいます。親ガメの上の子ガメが、親ガメがこけた時にどうやって親ガメを起こせるというのでしょう。

独自通貨建ての政府債務はインフレだけを心配していればよい

日本の国債のように独自通貨建ての政府債務の場合は、問題にすべきなのはインフレだけです。独自通貨建ての国債は、全て中央銀行に買い取らせることが、理屈の上では可能です。全て中央銀行に買い取らせれば高インフレを招きますが、政府の債務は実質的に無くなります。独自通貨建ての政府債務の上限を決めるのは、容認できるインフレ率です。独自通貨建ての政府債務にIMFが関与するのは全く筋違いです。