コミュニケーションでネックになるのは、受信能力

何かを若い人たちに伝えようとしたときに、「内容が古すぎる」とか「老害」だとか反発する人はいつの時代にもいる。もちろん古くなって伝えるに値しなくなるものもあるが、たとえ日進月歩のコンピュータ/インターネットの世界であっても不易普遍なものはある。そういったものを「古い」という理由だけで学ぶに値しないと思い込んでいる輩は、畑村氏が言うところの「偽ベテラン」ないし「偽ベテラン予備軍」なのであろう。

聞く耳を持たない人たちに聞かせるのは、本当に至難の業である。情報の発信能力は、一旦、文章に書き出すなどしてある程度客観視できる。それに対して情報の受信能力は、客観視することがほとんど不可能であり、油断していると際限なく低下していく。権力を持っていたりするとすぐ裸の王様になってしまう。