人を呪わば穴二つ

批判している内容が、ほとんど批判者の側にも当てはまるということは珍しくない。

環境保護は、現代の宗教である。科学的に証明されていない教義を多くの人々が信じ、それを道徳的なこととして他人に押しつける。

環境保護」を「環境保護批判」に入れ替えても通用しそうである。

ダイオキシンは猛毒とされているが、その毒性はラットやマウスの実験によるものであり、人間に対する毒性はきわめて弱い(中西準子氏によればタバコの1/3000)。ゴミ焼却炉からは大量のダイオキシンが出たが、焼却炉で中毒症状が起きた事例は一つもない。全国で1兆円以上の税金を投じて行なわれた焼却炉の改造は浪費である。

「焼却炉の改造は浪費である」という結論は正しいが、「人間に対する毒性はきわめて弱い」というのは完全な間違い。ダイオキシンは猛毒である。だが、焼却炉で生成される量が絶対的に少ないため、焼却炉で生成されるダイオキシンを無視しても事実上問題ない。中西準子氏が言っているのもそういうこと。

環境ホルモン」と称するものは、まったく人体に害はない。

人体に必須の水や酸素すら、人体に害をもたらすことがあるのだが?

地球温暖化で北極と南極の氷が溶け、海面が上昇するというのは誤りである。北極の氷は海面に浮いているので、溶けても海面は上昇しない。南極は-50℃で「過冷却」になっているので、気温が上昇すると水蒸気が凍結し、氷が増えて海面は低下する。海面が上昇するのは、陸地よりも海水の膨張率のほうが高いためであり、その影響は限定的だ。

「北極の氷は海面に浮いているので、溶けても海面は上昇しない」は、「北極」という言葉のあいまいさを使ったトリック。北極海の氷は海面に浮いているが、北極圏にはグリ−ンランドがあり、ここの氷河が溶けると海面が1m程度上昇する計算になる。そもそも、氷が溶けなくても、南極大陸やグリ−ンランドの氷河が海面に流れ出すだけで海面が上昇する。その流れ出す速度が温暖化で上昇していると心配されている。南極大陸の氷河が海面に流れ出す速度が温暖化で上昇すれば、「氷が増えて海面は低下する」は無意味。