速くて遅いIT業界の変化

逆説的なIPv4アドレス市場」にトラックバックをもらったのだが……。

IPアドレスは、あと10年ももつ資源であるということである。 IT業界で10年というと、普通の感覚では100年大丈夫ということである。

早い人は1990年代の初め頃からY2K問題を警告していたが、遅々として対策が進まなかった。結局見切り発車になってしまった。IT業界は、量的な変化は速いが質的な変化は必ずしも速くない。プロトコルは特に変化しにくい。

枯渇前の2年前ぐらいに、IPv4の上位規格を制定して普及させても間に合う

間に合わない。トラフィックの大半がスパムという状況に陥りながらも、基本設計が四半世紀も前の牧歌的な時代に開発されたsmtpを未だに使用している。プロトコルを置き換えるということはそれほどに時間がかかる。メールのプロトコル一つをとってもそうである。10年後にIPv4を置き換えるとなれば、現在既に開発済みでなければ間に合わない。IPv6以外に候補と成り得るものは存在しない。