もはや「反動」ではない

先月の家庭の消費支出は、消費税引き上げ前の駆け込み需要の反動が続いていることに加え、天候不順の影響でエアコンや旅行などの支出が減ったことなどから、前の年の同じ月を6%近く下回り、4か月連続の落ち込みとなりました。

「駆け込み需要の反動が続いている」のでしょうか?

先月の家庭の消費支出が落ち込んだことについて、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「7月以降は消費増税の反動が終わって、消費が回復していくという見方が多かったが、厳しい数字となり、早速、出はなをくじかれた形だ。とりわけ、本来は賃金減少の影響を受けにくい生活必需品でも、支出が低迷しており、消費者が増税に伴う所得の減少が一時的ではなく今後も続くと考えて、消費を減らしていることが見て取れる」と話しています。

「消費増税の反動」は終わっているのではないでしょうか?
「駆け込み需要の反動」とは、増税前に前倒しで買い込んだ分、増税後の需要が減少することのはずです。増税前に前倒しで買い込んだ分以降の減少は、反動ではなく、消費税増税による消費の減退です。実質実収入と実質消費のグラフを見ると、3月の駆け込み需要を除いて、実質実収入と実質消費は対応して推移しています。駆け込み需要の反動は4月でほぼ終わったと言えるでしょう。