Suicaのレスポンスタイムは大丈夫か?

Suicaの新改札システムが5月から導入されます。ローカル処理だった運賃計算がサーバーに移行します。サーバーへの移行のネックの一つがレスポンスタイムなのですが、探し方が悪いのか、それに関して十分に検討したと見られるものが見当たりません。レスポンスタイムに関するテストは、多くの場合、実環境とほぼ同等の環境が必要です。莫大なコストがかかります。正直、かなりの不安があります。

改札におけるレスポンスタイムの制約は厳しいものになります。これに比べれば、銀行のATMは大甘です。レスポンスタイムがさらに厳しい、証券等の超高速取引では、ネットワークを諦めています。コロケーションサービスといって取引所のデータセンター内に証券会社等のサーバーを設置するのが普通です。つまり、超高速取引ではローカル処理なのです。

レスポンスタイムの改善には、ネットワークによる遅延がネックになります。ネットワークによる遅延とは、信号の伝達にかかる時間です。光の速さと距離に依存します。したがって、基本的に、現代物理学では改善が不可能です。

幸い、改札に要求されるレスポンスタイムは、上記の超高速取引ほど厳しくありません。したがって、サーバーやネットワークケーブル等の機器がふんだんにあれば、十分に短いレスポンスタイムを確保することは可能です。しかし、機器がふんだんにあるということは、そのためのコストがかかるということです。レスポンスタイムに関するトラブルが発生し、その度に機器を増設する、という形にならないか不安です。