為替介入はどの程度有効か?

為替レートが大きく動くと為替介入が当然のように話題になる。だが、為替介入はそれほど効果があるものなのだろうか?

自国通貨の買い支えには限界がある。論理的にも事実としてもこのことは証明されている。自国通貨の買い支えには外貨が必要なため、ある程度以上の買い支えは外貨不足に陥って破綻する。それに対して、自国通貨の売り崩しは、無限に行うことが可能と思われている。本当にそう考えていいのだろうか?よく考えるとこれはかなり怪しくなる。

自国通貨を売るということは、外貨を買うということである。買った外貨は積み上がっていく。例えば、日本は外貨準備という形で1兆ドル規模の外貨を保有している。これは貿易額などを考慮しても10倍以上も過剰と見なされている。そしてこの過剰なドルは、潜在的なドル売り圧力として作用する。
また、日本の外貨準備の多くはアメリ国債で運用されており、年に億ドルの単位で利子の受け取りが発生している。これをドルのままで受け取れば、外貨準備がさらに積み上がっていくことになる。円に変換すれば、ドル売り・円買いが発生する。

「自国通貨の売り崩しは無限に行うことが可能」であっても、それが充分に効果をあげるとはかぎらない。自国通貨の買い支えほどではないにせよ、自国通貨の売り崩しもその効果は限定的と考えるべきだと思う。