サマータイム制導入という愚行

サマータイム制度を導入するための法案が国会に提出される見込みらしい。

サマータイム制導入にはいくつかのデメリットがあるが、最たるものはコンピュータプログラムの調査・変更コストだろう。Y2K(2000年問題)なみかそれ以上のコストがかかるおそれがある。はっきり言って愚行である。

時刻の表示や時間の計算は、多くのコンピュータプログラムで使用している機能だから、サマータイム導入となればほとんどのプログラムについて問題ないか調査する必要がある。膨大な数のプログラムを調査するコストが膨大なものになるのは、Y2Kを見てもあきらかである。

Y2Kより厄介な問題もある。Y2Kは日付のデータをどう扱うかというだけだった。それに対して、サマータイム導入となればサマータイムか否かという区別のためのデータがないと時間の計算が正しくできなくなる。そのため、二つの時刻のデータだけで時間を計算していたようなプログラムは、サマータイムか否かという区別のためのデータを追加する必要が生じる。
データは無からは生じないから、どこかでそのデータを与えてやる必要がある。そのため、プログラム全体に渡って変更する必要が生じるおそれがある。プログラムの変更箇所を局所化できたY2Kに比べ、プログラムの変更箇所が広い範囲に及ぶサマータイム制導入の方がプログラムの変更は厄介な面がある。

Y2Kの膨大なコストから類推すると、サマータイム制導入はとてもコストにあわない。