日本はさほど水の豊富な国ではない

15日の日本経済新聞朝刊の特集「人口減と生きる」の中で、「日本には水が豊富にある」という言葉が出てきた。だが、これは思い込みに過ぎない。

確かに、気象で言うところの降水量で見れば、日本は世界有数の降水量の多い国である。梅雨と台風、そして冬の日本海側の豪雪が、日本を世界有数の降水量の多い国にしている。だが、気象における降水量の単位は、mm(ミリメートル)であり、長さの単位であって、体積や質量の単位ではない。雨や雪を蓄えておいた場合の深さの単位であって、体積や質量の単位ではない。国土の面積が狭いため、降水量を体積や質量で測ると、「降水量」は意外に少ない。そして、水を消費する人口は多い。

国土の狭さと人口の多さとから、一人当たりの水の量はそれほど多くならない。さらに、短くて急な川が水をすぐ海に流してしまう。日本はさほど水の豊富な国ではない。