プロセス改善がうまくいかない理由
ソフトウェア開発において、「プロセス改善に関する意見の食い違い」が起きる理由の一つは、「良いプロセス」というものが充分に明確になっていないことにある。
「本当に欲しいモノは顧客自身もよく判っていない」という要求に関する見解は、「プロセス」に対する要求においても正しい。「良いプロセス」を要求しているのではなく、「良いと思っているプロセス」を要求しているに過ぎない。単に他人の受け売りに過ぎない場合が少なくない。プロセス改善における判断は、ソフトウェア工学に基づくことが多い。だが、ソフトウェア工学には「生産性は計測不能」とまで言われる生産性に関する大きな欠陥があるため、ソフトウェア工学は生産性向上には必ずしも役に立たない。
プロセスを改善しているつもりでも、実際には、プロセスを悪化させているだけというケースは珍しくない。