人口減少とデフレは無関係

人口減少とデフレの相関における錯覚

人口減少がデフレの原因であるという主張は根強いです。
人口減少とデフレに相関がほとんど無いという事実がありますが。

実際の図をみれば一目瞭然であるが、これらの人口要因とインフレ率の間には、ほとんど相関がない。ということは、これらの人口要因はデフレとは統計的には無関係である。

それに対して以下のような反論がなされています。

これについては本部ログでも考察したことがあるが、確かに全ての国を一度にプロットすれば相関は見られない。 しかし、先進国だけをプロットすると、下図のように一定の相関が見えるようになる。 そして更に面白いのは発展途上国だけをプロットすると、今度は逆の相関が見られるようになる事である。 よって日本と人口が減少している幾つかの発展途上国を並べて、「他の人口減少国はみなインフレだからやはり日本だけが特別だ」みたいな批判は上の図を見る限りあまり意味は無いだろう。 日本も人口減少中の発展途上国も、各々のグラフ内では大きくトレンドから外れた特殊例というわけではない。

だが、これは錯覚です。先進国だけをプロットすると、相関が見えるように思えるだけです。

日本を除外して人口減少とデフレの相関を考える必要がある

人口減少がデフレの原因であると主張するのなら、人口減少とデフレの相関を見る際は、厳密には、日本を除外して見る必要があります。日本の人口減少とデフレを人口減少がデフレの原因であるという主張の根拠にするわけにはいきません。『日本がデフレに陥っている原因は人口減少である、その根拠は、日本がデフレに陥っていて人口減少しているからである』これでは根拠を示したことになりません。

日本を除外すると先進国でも人口減少とデフレの相関はなくなる

日本を除外すると、先進国でもデフレの相関はほぼなくなります。わずかにあるかのようにも見えますが、日本のデフレを説明するほど大きなものではありません。