情報は正しく伝わらない

東証のシステム障害の原因は、富士通の作業指示書に記載漏れがあったためらしい。

漏れなく伝えることは難しい

記載漏れは、単なるうっかりミスで起きることが多いが、伝える必要のないことだという思い込みによって起きることもよくある。今回の東証のシステム障害は前者のようだが、そうだと断言できるほどの情報はまだ公開されていないようである。後者を防ぐには、知っているはずのことも細大漏らさず記載する必要がある。ところがそうすると、今度は既に知っていることの中に伝わるべきことが埋もれてしまい、伝わるべきことが伝わらないという結果に陥りかねない。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということわざは、データに関しても正しい。

自然言語はあいまい

プログラミング言語などの人工言語と異なり、日本語などの自然言語はあいまいであり、意図が正しく伝わりにくい。「テクノロジー時評Ver2」の東証のシステム障害を扱った「東証ダウンの原因はオペミス」というタイトルなどは、まさにその例と言える。このタイトルだけ読むと、コンピュータのオペレータの操作ミスがシステム障害の原因であるかのように誤解するだろう。実際、そのように誤解したと思しきブログのエントリもある。