プログラム自動生成の見果てぬ夢

富士通は金融機関や企業の基幹システムの開発を大幅に簡素化する支援ソフトを開発した。手掛ける業務の内容を日本語の一定の書式で入力すれば、コンピューター用のプログラム言語に自動変換する。システム開発費の4割を占めるプログラミング費用が不要になり、システムの保守も容易になる。

プログラム不要とか、自動プログラミングとか、今まで繰り返し出てきました。かつては、機械語ではなく高級言語を使用することが、自動プログラミングと呼ばれていたそうです。そうすると、この手のツールは、半世紀ほどの伝統があることになります。

これにより、プログラミングを行う従来の方法と比べ、開発・保守コストを約40%削減(当社比)できるうえ、プログラミングスキルに依存しないシステムの構築と保守が可能となります。

富士通自身が「プログラミング」と呼んでいるので、仕方ありませんが、それは、厳密に言うならば、コーディングと呼ばれるべき作業です。プログラミングとは、設計作業であり、「一定の書式で入力」することもプログラミングの一部となります。「一定の書式」でプログラミングする。すなわち、従来のプログラミング言語より自然言語よりのプログラミング言語でプログラミングするにすぎません。したがって、大幅な生産性の向上は期待しにくいです。「約40%削減」もホーソン効果などで大部分が説明できてしまいます。こうした自然言語よりのプログラミング言語が次々と現れて消えていったことからすると、大きな期待は禁物でしょう。