マネタリーベースでは20年以上金融引き締めを続けている日銀

市場参加者の少なからぬ人々は日銀の一挙手一投足に注目しながら取引しているでしょう。 ある月のマネタリーベースを日銀が減らしたという情報が1ヶ月遅れて公表されれば、市場参加者は、日銀がインメド政策を打ち出したのとは裏腹に、本気でデフレ脱却させるつもりがないことを嗅ぎとったのではないでしょうか。これにより、流通していた通貨は再び日銀当座預金に退蔵され、同時に日銀の真の意向に沿って、−言わば、日銀MBメッセージ仮説です−株式市場からもマネーが流出したのではないでしょうか。

先日のエントリに書いたとおり、マネタリーベースで見るかぎり、この20年以上アメリカより日本の方が金融は引き締められています。

中央銀行の直接的なマネーの供給量を示すマネタリーベースで見ると、1990年1月を100とした相対比較で、バブル崩壊後、20年以上に渡ってアメリカを下回っていたことがわかります。少なくともこの20年以上は、アメリカより日本の方が金融は引き締められていたということです。