無知や未経験という財産

知識や経験がある種の財産であることは、ほとんどの人達が認めるだろう。だが、無知や未経験もある種の財産であることは、多くの人達が気づいていない。

もしこれを読んでいる初級者の人がいたら、覚えておいてほしい。あなたが「わかりにくいなー」と思ったことは、あなたの技術力が足りないだけのこともあるけど、その技術が本質的にいけてないだけの場合もある。先輩がいったことはいつも正しいわけじゃない。その先輩は雑誌やWebでの情報を丸呑みしているだけだろうから、1年後にはまったく逆のことを言っているかもしれない。だから先輩に否定されたとしても、自分が「何かおかしい」と思ったらその直感は大事にしてほしい。できれば「何がおかしいのだろう?」と考え続けて、問題の本質的な解決をしてくれるとうれしいし、そういう若者が増えれば日本の将来も変わるだろう。

経験を積み、知識を蓄えて、パラダイムというか思考の枠組みを身に着けることにより、考える効率を上げることができる。だが、それはそのパラダイムの中だけに範囲を限定してしまうことでもある。その範囲に収まらない場合には、むしろ、無知な方、未経験な方が有利にさえなりうる。