想像を絶するほどのコストがかかるサマータイム制導入

サマータイム制導入賛成派の人たちは、サマータイム制導入反対派の意見をまともに読んだことがないらしい。

大切なのは、まずやってみること。そして駄目なところがあれば直していけばいいのだ。だから、サマータイムも一度導入してしまえばいい。その上でサマータイムの効果測定をやろうではないか。導入後、消費が伸びたか、どのような経済効果があったか、などなど検証すべきことはいくらでもある。時計の針を調整するのが面倒だとか、間違えて飛行機に乗り遅れたなどを反対理由に挙げているくらいだから、要するに考えるのも面倒というのが反対派の論理だ。

少なくない人たちが、サマータイム制導入に多大なコストがかかることを指摘しているのだが……。私も、「サマータイム制導入という愚行」で、コンピュータプログラムの調査や変更に多大なコストがかかることを指摘している。
変更する必要のありそうなコンピュータプログラムはざっと思いつくだけでも以下のようなものがある。

  • コンピュータOSのほぼ全て
  • 勤怠管理プログラムのほぼ全て
  • 金融機関のオンラインシステムのほぼ全て
  • 鉄道や道路交通の管制システムの大部分
  • ネットワーク制御プログラムのほぼ全て
  • 24時間動作する機器の組み込みプログラムの大部分

時刻や日付は、コンピュータにとっても基礎的なデータだから、時刻や日付の処理を変更するサマータイム制導入で影響を受けるコンピュータプログラムは多い。変更する必要のないプログラムを挙げた方が早いと思えるくらいである。24時間動作する必要のないものでも、時刻や日付を扱うコンピュータプログラムは変更する必要がある可能性がある。
サマータイム制を導入すれば、1日が25時間だったり、23時間だったりする可能性が生じる。そのため、午後10時から翌日の午前1時まで働いても勤務時間が3時間とは限らなくなる。これにより、企業や官庁、自治体の勤怠管理プログラムのほぼ全てを変更することが必要になるから、このコストだけでも1000億円ぐらいにはなるだろう。サマータイム制導入のコストが100兆円を越すという試算が出ても私は驚かない。