確証バイアスの低減

ある考えに都合のいい情報を集めて、その考えを強化してしまう確証バイアスという現象があります。

認知バイアスの1つである確証バイアスとは、対象物を評価する際に、先入観に基づいて観察を行い、自分に都合のいい情報を集めてもともと抱いていた先入観に付け加え、対象物の評価にバイアスをかけてしまうこと。「確証バイアスは、正しい評価や判断を邪魔するばかりか、創造性の高い考え方やアイデアを生み出すことにも悪影響を与える」とSteenbarger助教授は主張しています。

確証バイアスは確かに有害です。

誰もが陥る可能性のある確証バイアスを回避するには一体どうすればいいのか、Steenbarger助教授は2つの方法を提示しました。1つは、先入観を生み出す原因となる情報源を適切に選別する訓練をすることです。この場合の情報源とは、本や新聞、記事といった読み物のことで、経験と自主性を携えたキュレーターが収集したり書いたりした記事を読むことで、情報源を選別する力を鍛え確証バイアスを回避できるようになるとのこと。「実績と知識、適切な批評能力を伴ったキュレーターたちによって作成された記事は、自分が信じるモノや先入観に左右されずに読めることができ、結果的に情報を適切に選べるようになる」とSteenbarger助教授は主張します。

本や新聞、記事といった読み物の選択も、それらの読み物の著作者や記者自身も確証バイアスから自由ではないです。むしろ、専門家こそ確証バイアスをもちやすいとさえ言えるかもしれません。確証バイアスはあるものと考えるべきです。不都合な意見、反対意見を積極的に収集する。特に不都合な事実があれば、その情報は積極的に収集する。過度に一方の意見に賭けるようなことはしない。できれば、保険をかけておく。といったことが、確証バイアスとその害の低減になるでしょう。

一番まずいのは、自分の、自分たちの意見は中立である、先入観等無い。といった思い込みをすることです。