消費税増税賛成派のおかしな主張

売り上げについては、「売り上げを2倍にするために価格を2倍にしろ」というような主張を誰もしないのに、他への影響を色々考えるべき消費税については、同様の主張をする人たちが少なくないのは何故なのでしょう。

少しきな臭くなってきたように感じる。消費税率が上がって4ヵ月が過ぎ、明確に景気が浮揚したという実感が乏しい。もちろん、増税のダメージは想定の範囲内であり、これで景気が腰折れしたという証拠はない。

「想定」が示されていない以上、想定内と言っても何の意味も無いです。

鉱工業生産統計も弱い(図表2参照)。出荷指数は2〜6月までから一貫して下がっている。消費税の反動減もあるが、どうも輸出が立ち上がってこない。

もしかして、輸出頼み、外国頼みで消費税増税に賛成したのですか?日本の消費税増税を支援するために外国が輸入を増やしてくれるわけがないでしょう。それって、神頼みと大差無いのでは……。

実際の景気は、景気腰折れではないし、盛り上がりに欠ける展開に過ぎないが、もともと消費税反対を唱えていた人から見れば、個人消費の低調さは消費税増税がもたらした害悪だとして徹底的に批判できる。

「景気腰折れ」どころか「景気底割れ寸前」に見えます。「アベノミクス・消費が死んだ もう立てない」のグラフを見ると消費は東日本大震災の直後のレベルまで低下しています。

しかし、なぜ7〜9月の経済成長率を見て、消費税増税の計画を修正・中断しなくてはいけないのか、理由がよく飲み込めない。筆者などは、消費税増税財政再建社会保障システムの維持のためだと考えているので、消費税率を10%まで引き上げるのは不可欠と考える。だから、景気が腰折れすることがなければ、平常の景気に戻ったと考えて、2015年10月の増税を実施するのが妥当と理解する。

景気が腰折れしていないという前提で言っているからでしょう。消費が回復しなければ、GDPが大きく減少して、消費税増税分以上に税収が減少するのはほぼ確実です。消費が伸びるには、収入増の裏付けが必要ですが、収入が大きく増えることは期待できません。むしろ、消費の減少による企業利益の減少が収入の減少につながる危険性が高いです。

しかし今のところ、政府は自然増収を極めて保守的に見積もっている(図表3参照)。税収の弾性値が1程度になっているように見える。本来は、もっと自然増収を見込んでもおかしくはない。

税収の弾性値が高いということは、GDPが減少した場合の税収の減少も激しいということです。税収の弾性値が高いのならば、なおのこと、消費税増税などの景気悪化による税収減のリスクの高い方法はとらず。景気回復による自然増収を中心にすべきです。