供給曲線は存在しない

現実の市場には、供給曲線は存在しません(商品取引所などの取引所内部の市場や買い手独占型の独占市場を除く)。現実の市場は、売り手独占型の独占市場の集まりとなります。こうした市場においては、各供給者の供給量は、各供給者に対する需要で決まります。この需要は、各供給者とは直接の関係は無く決まります。そのため、供給曲線は一般に存在しません。

供給量は、利潤最大化原理から求まる

各供給者における供給量は、利潤最大化原理から求まります。利潤最大化原理は、売れ残りなどがなければ費用最小化原理と同じと見なせますが、売れ残りのリスクが無視できない場合は、別のものとして扱う必要があります。

利潤が最大になる供給量は、供給者に対する需要で決まる

各供給者における利潤が最大になる供給量は、各供給者に対する需要によって変わります。費用のみを考えて、商品の売れ残りが無いと仮定して供給しても、売れ残った分は利潤が増えません。むしろ、費用の分、実質的な利潤は増えないどころか低下します。そのため、各供給者の供給量は、一般に、予定の期間で商品が全て売れてしまうような供給量になります。
こうした各供給者の供給量は、各供給者の供給能力とは直接の関係無く決まります。各供給者に対する需要家の数や各需要家の需要の度合いといったもので決まります。これらの需要は、各供給者との直接の関係はありません。

供給者曲線は存在しない

各供給者に対する需要は、供給者自身とは直接の関係はありません。そのため、各供給者の供給量も供給者の供給能力とは直接の関係がありません。各供給者の供給量は、供給者の能力とは、直接的な関係はありません。一般に供給曲線は存在しません。