需要と供給の一致に価格は必要ない

需要と供給の一致は単なる物理的法則で説明できます。分岐の無い定常的なフロー(流れ)においては、入ってくる量と出ていく量は一致します。価格は必要ありません。価格が必要だということは、部分均衡モデルは、必要以上に複雑過ぎるということです。また、価格と関係ない場合を説明できないということでもあります。
価格が不要だということは、ゲーム理論での競売も考慮する必要は無いということです。

需要と供給が一致するのは単なる物理的法則

需要の数量と供給の数量が一致するのは単なる物理的法則から導かれるものにすぎません。厳密に言うなら、時間当たりの出ていく量、需要の数量と、時間当たりの入ってくる量、供給の数量とは、変化のない定常的フローにおいては、一致します。これは、質量保存則、エネルギー保存則などと呼ばれる法則から導かれます。
例えば、水道の蛇口を一方に差し込んだホースを考えます。ホースを市場と、時間当たりにホースから流れ出る水の量を需要の数量、時間当たりにホースへ流れ込む水の量を供給の数量と見なします。このとき、フローが定常的であれば、時間当たりに流れ出す水の量と流れ込む水の量は一致します。需要の数量と供給の数量は一致します。

価格を必要とする部分均衡モデルは不適切

価格を必要とする部分均衡モデルは不適切なモデルです。「オッカムの剃刀」という言葉があります。仮定は必要最小限であるべきです。価格を仮定する必要のある部分均衡モデルは、このオッカムの剃刀に反しています。必要以上に複雑過ぎます。
また、同じ商品に複数の価格があっても特に支障なく現実の市場が成立している事実は、需要と供給の一致に価格は必要ないということから簡単に説明できます。
現実の市場は小さな独占市場の集まりと見なせます。しかし、需要と供給の一致に価格が必要ないなら、特に支障はありません。