人間は水より単純?

人間の行動は水の性質より単純と考える均衡モデル信奉者

水は、1気圧では、摂氏0度で凍り、摂氏100度で沸騰する。多くの物質で、温度により、固体、液体、そして、気体と不連続的に変化する。
温度という一つの条件が変化しただけで物質は不連続的に性質を変えるのに、均衡モデル信奉者たちは、現実の経済とは前提としているいくつもの条件が異なる均衡モデルで現実の経済が近似できると主張する。それは、氷を単に水より冷たいだけと主張するようなものである。
化学的には氷も水も同じだから、ある場合には氷を単に水より冷たいだけと見なしてすむこともある。そのように、均衡モデルで現実の経済が近似できることはある。だが、それは、現実の経済を近似するのにほとんどの場合均衡モデルで充分であるという根拠にはならない。