需要が経済を決定する

経済は需要不足が基本

全般的な需要不足が起き得ることがどうしても理解できない人が、非常に多いのだ。

「全般的な需要不足が起き得る」という言葉は適切でない。なぜなら、現実の市場は需要不足である状態が一般的であり、需要が経済状態の制約となっているのが普通だからである。一時的、局所的に供給不足になることはあるが、あくまで例外である。

世界は「売れ残り」で満ちている

需要不足が一般的である証拠は、様々な店の店頭で売られている商品の多さである。店頭で売られている商品は、店頭在庫とも呼ばれるが、これはある種の売れ残りである。期待した期間内では売れなかったという意味の売れ残りではないが、市場に供給したにもかかわらず売れていないという「売れ残り」には違いない。これは、現実の市場においては、個々の売り手が需要の制限に直面していることを示している。すなわち、完全競争市場の想定している個々の売り手にとって水平な需要曲線は、現実の市場では成り立っていない。現実の市場に近いモデルは、完全競争市場ではなく独占的競争市場である。