東電の福島第一原発事故は、原発(事故)が日本の存続を脅かしかねないということをあきらかにしつつあります。原発事故は、単に多くの人の身体・生命に悪影響を及ぼすというだけでなく、日本経済にも深刻な悪影響を及ぼすリスクがあります。最悪、日本が崩壊しかねません。
仮に浜岡原発で放射性物質が漏れそれが偏西風で運ばれれば、太平洋ベルト地帯の工業生産地域や首都圏にも届く恐れは十分にあります。
そのときの避難対象地域の大きさは今回の比ではないでしょうし、避難する対象人口はどれほどの数になるのでしょうか。
もっとまずいのは、原発事故が日本の輸出入をストップさせかねないということです。
原発事故は日本の輸出入の脅威
原発事故は、農産物や海産物の輸出だけでなく、工業製品の輸出にも悪影響を与えています。
東京電力福島第一原発の事故で、農産物や海産物に多大な風評被害が出ているが、工業製品も同じように影響を受け始めた。特に海外への輸出品は「メイド・イン・ジャパン」というだけで疑いの目を向けられ、企業は対策に頭を抱えている。
今回は免れているようですが、放射能汚染のレベルによっては、船の乗組員の拒否により輸入もできなくなるというケースが考えられます。食糧や原油の輸入が止まるということは、日本の息の根が止まるということです。
原発事故が円を紙くずにする
食糧や原油の輸入が止まらないまでも、輸送費の上昇により、食糧や原油が高騰し、それが経常赤字を呼び、経常赤字は円安を呼び、円安は食糧や原油の高騰を呼ぶという悪循環に陥りかねません。「財政赤字がハイパーインフレを引き起こし、円が紙くずになる」というシナリオは杞憂と言っていいですが、原発事故ならば円が紙くずになる危険性が多分にあります。